末梢血幹細胞移植 (PBSCT) 併用大量化学療法後に完全切除された縦隔原発悪性胚細胞性腫瘍の1例

2004 
bleomycin, etoposide, cisplatinを用いたBEP療法に抵抗性の縦隔原発悪性胚細胞性腫瘍の標準的治療は確立されていない.症例.25歳, 男性.胸痛を主訴に当科を受診した. 胸部CTで前縦隔に10×13cmの巨大腫瘤を認めた. NSE, AFP, β-HCGの軽度上昇を認め, 経皮的針生検では精上皮腫と診断された. BEP療法を開始したが, 1, 2コース目では腫瘍縮小効果を認めたものの, 3コース目では腫瘍の再増大が認められた.その後, 放射線療法 (30Gy/15Fr) に変更したが, 無効であった.そのため, 末梢血幹細胞移植 (periphera lblood stem cell transplantation: 以下PBSCT) 併用大量化学療法を施行したところ, 腫瘍の縮小を認めたために手術を施行した.手術により腫瘍は完全切除され, 術後1年の現在まで再発は認められない. 摘出腫瘍の組織学的所見では, 精上皮腫の成分は壊死巣の中に見られるのみで, その他の部分は未熟奇形腫と診断された.結論.BEP療法に抵抗性の縦隔原発悪性胚細胞性腫瘍に対して, PBSCT併用大量化学療法は積極的に試みるべき治療法の1つと考えられた.
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