CD38 is critical for social behaviour by regulating oxytocin secretion

2007 
CD38はADP-リボシルシクラーゼ活性を有する膜貫通糖タンパク質であり、Ca2+シグナル伝達分子の生成を触媒するが、神経内分泌機構における役割は不明である。本論文では、CD38ノックアウトマウス(CD38-/-)成体の雌では母性的養育行動、雄では社会行動が著しく損なわれているとともに、それらが高い自発運動活性を示すことを明らかにする。これに一致して、CD38-/-マウスではオキシトシン(OT)血漿濃度の低下がみられたが、バソプレッシン濃度に変化はなかった。CD38-/-マウスでの皮下投与によるOTの補充や、レンチウイルスベクターを用いたヒトCD38の視床下部での発現は、社会的記憶および母性的養育行動を回復させた。オキシトシン系神経下垂体軸索終末において脱分極が誘発するOTの分泌およびCa2+濃度の上昇も、CD38-/-マウスでは低かった。また同様の効果は、CD38+/+マウス軸索端末へのCD38代謝物アンタゴニストの添加により再現できた。本研究は、CD38が神経ペプチドの放出において極めて重要な役割を果たして母性的・社会的行動を大きく制御しており、その結果として、神経発達障害の一要因である可能性を示している
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