ペグインターフェロン投与当日に虚血性大腸炎が出現したpersistently normal ALT(PNALT)の1例

2011 
ペグインターフェロン・リバビリン(Peg-IFN+RBV)併用療法は,C型慢性肝炎に対する現在の標準的治療であるが様々な副作用が報告されている.高血圧症,糖尿病などの既往のない46才女性がpersistently normal ALT(PNALT)の治療のため,Peg-IFN+RBV療法を開始した当日に左下腹痛が出現し,さらに2回目のPeg-IFN投与日にさらに強い同部痛ととともに下血が出現した.大腸内視鏡検査にて下行結腸に3条の縦走性潰瘍を認め,虚血性大腸炎と診断し,Peg-IFN+RBVの中止および対症療法にて軽快した.IFN投与数カ月後に虚血性大腸炎が出現したとする報告はあるが,本症のようにIFN投与との因果関係が明確な症例の報告はないため,貴重な症例と考え報告する.
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