Highly Esthetic and Toughened Dental Composite Resins

無機凝集フィラー(SiO2，ZrO2 および Al2O3 含有)とマトリックスモノマー(ウレタンジメタクリレート)を用いて，審美性にすぐれた高強度の光硬化型歯科用レジンの作成について検討した．審美性実現に求められる高い透明性には，凝集フィラーの一次粒子径の制御および硬化前後のマトリックスとフィラーの屈折率差の最小化による光散乱の抑制が必要なことを明らかにした．また，フィラーの高充填によるレジンの高強度化のために，凝集フィラーの一次粒子径を最適化し(120 nm)フィラー表面の凹凸によるアンカー効果を強め，さらに架橋構造に残存する二重結合の反応率を高めるため光硬化後に加熱処理(110℃，10 分)を行った．その結果，硬化前後とも光透過率が高く，レジンの基本的要件である曲げ強さを約 250 MPa まで高めることができ，既存品より高強度(従来品は最大で約 220 MPa)の歯科用硬質レジンを市場に出すことができた．