低温処理期間の違いが追熟中のセイヨウナシ‘ル・レクチェ’の果実特性に及ぼす影響

2010 
0,10,30,60または90日間の低温処理(低温貯蔵)した‘ル・レクチェ’果実において,10℃で追熟させた果実の弾性指標,果肉硬度,果実重,果皮色および可溶性固形物濃度の経時的変化を測定した.低温処理中の‘ル・レクチェ’果実は可食状態にならなかったが,追熟中の果実で起こる果皮の黄化や果肉の軟化のような代謝活動が2~3℃の低温条件下で認められた.2~3℃の低温処理(低温貯蔵)後,果皮色値および可溶性固形物濃度は10℃の追熟中に上昇し,弾性指標,果肉硬度および果実重は低下した.10もしくは30日間の低温処理した果実は正常に追熟し,果実の果肉はメルティング質になった.一方,60または90日間の低温処理をした果実は追熟中に果柄側から腐敗した.60日間低温処理した果実では,果肉の軟化が認められたが,メルティング質の果肉に至らなかった.従って,‘ル・レクチェ’果実は,2~3℃の低温下で60日以上貯蔵した場合,正常に追熟することができないことが示唆された.さらに,追熟中の果実の弾性指標と果実重の割合との間には有意な相関が認められた.この結果から,弾性指標は果実重の減量歩合(水分消失)の影響を強く受けることを示唆する.
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