和歌山群発地震地域における強震動アレー観測(1)-地震波に及ぼす震源,伝播経路,表層地質の影響の分離-

1998 
和歌山市を中心とした群発地震発生場の物理的性質を明らかにすることを目的として,速度型強震計を用いた7観測点から成るアレー観測を開始した。これまでに観測された波形データのS波スペクトルを使った線形インバージョン解析から,震源,伝播経路及びサイト等の特性の分離・評価を行い次の結果を得た。震源スペクトルは周波数(f)がおよそ10Hz以下であればω-2震源モデルで近似できる。S波のquality factor, Qs値は,2-32Hzの周波数帯ではQs = 20×f^0.9で近似できる。解析された地震の震源の深さは全て約10Km以浅であることから,これは地殻上部のS波の減衰特性と考えられる。基準岩盤観測点に対する露岩上観測点の相対的なサイト特性は約8Hz以下では増幅度がおよそ0.7-1.4のほとんど平坦な特性となるが,8Hzよりも商周波数域では露岩上観測点とはいえサイト固有の明瞭な共振周波数を持つ。
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