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    市場導入肥育素牛の牛呼吸器病症候群の治療状況を調査した.また気管支肺胞洗浄液,気管洗浄液,鼻腔スワブを採取し細菌学的に解析した.調査期間中に408頭の肥育素牛が導入され,導入後2週間以内に治療された牛は64頭であった.治療頭数割合は冬季で多くなり,発症に至る日数は春季で短くなる傾向があった.気管支肺胞洗浄液からは,2013年の6頭による調査では非発熱供試牛(対照牛)では1頭のみからPasteurella multocida(Pm)が検出されたが,発熱供試牛(発熱牛)では全頭からMannheimia haemolytica(Mh),Pm あるいはHistophilus somni のいずれかが分離された.2014年の8頭による調査では,対照牛の1頭のみからPm を検出し,発熱牛からはMh,Pm を検出した.全供試牛からMycoplasma 属菌は検出されなかった.これらの知見は,導入後に発熱を呈する牛の気管支肺胞領域に肺炎原因菌が存在することを示しており,治療指針の決定に重要であると考えられた.
    Bovine Respiratory Disease
    Pasteurellosis
    Identification
    Pasteurella
    Citations (1)