膀胱尿管逆流 (VUR) 発見における学童細菌尿検尿の有用性について

1998 
対象は1984~1996年の千葉市学童細菌尿検尿施行者259,482名 (小1男女,小3・5女子) で,1・2次検査はレプリカ法 (50検体同時に同一培地に接種し,1夜培養後対照培地と比較し菌数判定),3次検査は定量培養を行い,3回とも105/ml以上の者に精査を施行した。3次検尿陽性者は339名0.13%で,24名 (男2,女22) のVUR症例 (33尿管,Grade I10,II11,III7,IV5) が発見された。 VUR24名中,遺尿16名の他はほぼ無症状,起因菌はE. coli22名,白血球尿 (10/F以上) 15名,腎エコー施行12名中異常は6名であった。24名中自然治癒8名,逆流防止術10名に施行され,最終観察時蛋白尿を呈し予後不良が予測されたのは1名であり,学童細菌尿検尿はVUR発見に有用と考えられた。尿路感染症のスクリーニング法としてレプリカ法を亜硝酸塩試験紙と比較すると,労力はかかるが感度が優れていた。VUR早期発見のために,乳幼児期のエコーに加え,幼児期にレプリカ法による細菌尿検尿の導入の有用性につき今後検討したい。
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