多施設共同研究による脛骨骨幹部骨折に対する髄内釘固定術の成績― Trauma Research of Nagoya study

2021 
脛骨骨幹部骨折は人口10万人中17人程度の発症率で,骨折全体のうち2%程度を占め1),臨床の場でもしばしば目にする骨折である.Kuntscher が1939 年に髄内釘を導入して以降,脛骨骨幹部骨折に対する手術方法としても髄内釘固定が広く用いられている.以前より脛骨骨幹部骨折に対する髄内釘は,骨幹部閉鎖骨折やGustilo 分類type 1 程度までの開放骨折が望ましい適応とされており2~5),軟部組織の損傷がおさえられるなどの長所があるため合併症の発生率が低く,比較的良好な臨床結果が報告されている6~8).また近年では近位および遠位に複数のlocking option を備えた髄内釘の登場により,手術適応も拡大している9).しかし,その術後成績の大規模な検討は2000 年代以降ではほとんど報告がないのが現状である. 本研究では,脛骨骨幹部骨折に対し近年広く用いられている遠位に複数のlocking option を備えた複数社のインプラントを使用し,内固定術を行った症例の術後12ヵ月までの臨床成績(歩行能力,X 線像評価),合併症を多施設共同研究で検討した.合併症については,感染,インプラント破損,コンパートメント症候群,術後12 ヵ月時点での骨癒合不全を検討した.
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