新規なCa2+拮抗薬KB-2796の血液流動性に対する作用

1992 
Ca2+拮抗薬KB-2796 (1- [bis (4-fluoropllenyl) methyl] -4- (2, 3, 4-trimetlloxybenzyl) piperazine dihydrochloride) の血液流動性に対する作用をモルモットおよびウサギを用いて検討し, フルナリジン (FNZ) およびペントキシフィリン (PXF) の作用と比較した.KB-2796およびFNZはともに, ウサギ赤血球のCa2+イオノホアA23187によって誘発される形態変化を10~1004Mの添加で濃度依存的に抑制した.モルモットの血液を37℃でインキュベーションすると赤血球形態変化の進行にともなってミクロボア膜通過能は低下し, 血液粘度が上昇した.KB-2796はインキュベーション4時間後に30μMの添加で赤血球形態変化およびミクロボア膜通過能の低下を抑制し, 10μMの添加で血液粘度の上昇を有意に抑制した.FNZは30μM, PXFは100μMの添加で同様に赤血球形態変化およびミクロボア膜通過能の低下を抑制した-また, KB-2796をウサギに静脈内投与すると3mg/kgで, 両側総頸動脈結紮によるミクロボア膜通過能の低下を有意に抑制した記FNZ3mg/kg, i.v.投与群には, 作用は認められなかったが, PXF3mg/kg, i.v.投与群は有意な低下抑制作用を示した.以上の結果からKB-2796は赤血球形態変化の進行を抑制することにより, ミクロボア膜通過能低下および血液粘度上昇を抑制し, 血液流動性の悪化を改善することが示唆された.
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