経静脈性Double Phased Helical CTによる高血流肝細胞癌の診断能に関する検討
1997
X線CT検査の新しい撮影方法であるHelical CTを用い, 経静脈性に造影剤を注入して二相性撮影を行うDouble Phased Helical CTの肝細胞癌の診断能について検討した. Angio CT (肝動脈Helical CT及び門脈Helical CT) により高血流肝細胞癌と診断された44病変中35病変 (79.5%) が経静脈性Double Phased Helical CTにより診断された. 腫瘍径別の診断率は1cm未満で25%, 1cm以上2cm未満で69.2%, 2cm以上で92.6%であった. 造影パターンは動脈優位相で高吸収域を呈したものが97.2%であった. また, 検出されなかった9病変のうち7病変は腫瘍径2cm以下の小病変で, 残り2病変は腫瘍径3cm以上であったが, 肝実質の造影不良が検出されない原因と推定された. 今回の検討から経静脈性Double Phased Helical CTは高血流肝細胞癌において, 高い診断能を有していた. しかし, その診断限界も考慮する必要がある.
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