腹腔洗浄細胞診陽性進行膵癌に対して根治切除後術後補助療法としてTS-1+WT1ペプチド樹状細胞ワクチン療法を施行した1 例
2014
症例は66 歳,女性。他院で腫瘍マーカー高値を指摘され,精査の結果,膵尾部癌と診断された。手術目的で当科紹介となった。腹部CT では,膵尾部に径2.5 cm大の乏血性腫瘤を認め,脾静脈・脾臓浸潤を伴う膵尾部癌と診断した。2013 年2 月,手術目的で当科入院となった。開腹時,少量の腹水を認め,腹腔洗浄細胞診(CY)を提出したところ,Class Ⅴであった。CY 陽性であったが,遠隔転移もなく,腹膜播種も認めなかったので(H0P0),根治切除を行う方針とし,膵体尾部切除,脾臓摘出,左副腎切除,D2リンパ節郭清術を施行した。術後経過良好で,術後23 日目に退院となった。病理組織診断で,pT4N0H0P0M(−)fStage Ⅳaであったため,術後34 日目から補助化学療法としてTS-1 を開始し,4 コース(6か月間)施行した。WT1 ペプチド樹状細胞ワクチン療法も併用して行い,7 回投与(2〜3 週ごと)した。重篤な有害事象は認めなかった。術後1 年4か月経過現在,無再発で外来通院中である。
- Correction
- Source
- Cite
- Save
- Machine Reading By IdeaReader
0
References
0
Citations
NaN
KQI