Effect of Apical Acidity on the Transepithelial Resistance of Primary Cultured Tracheal Epithelial Cells Excised from Guinea Pig

2009 
胃酸による食道外の粘膜上皮障害の機序をより明らかにするため,摘出モルモット気管上皮の初代培養細胞を作成し,上皮膜抵抗を測定することで酸による電気的バリアの変化を検索した。塩酸を頂膜側より投与しpHを徐々に変化させると,pH 3より上皮膜抵抗は低下し,初代培養気管粘膜上皮細胞の電気的バリアのdown regulationが有意に認められた。培養液中にプロトンポンプインヒビターであるランソプラゾールを投与していた群では,pHを変化させても,上皮膜抵抗の有意な変動はみられなかった。この細胞の上皮膜抵抗が,どの因子から構成されているかの手がかりを得るため,代表的なイオンチャネルであるクロライドイオンおよびナトリウムイオンチャネルのブロッカーを頂膜側より順次投与し,上皮膜抵抗を測定した。それぞれ,上皮膜抵抗の有意な上昇効果をきたしたが,これらの効果はランソプラゾール投与群,非投与群との間では,有意な差を認めなかった。また,その後,酸を投与したところ,上皮膜抵抗は減少した。これらの結果から,酸暴露により,気道上皮の電気的バリアの破綻が惹起されることが示され,この反応は一部上皮の頂膜側のイオンチャネルを介していることが示唆された。また,プロトンポンプインヒビター投与は,酸暴露時の電気的バリアの障害を部分的に防止する効果を持つ可能性が証明された。
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