術後19 年目に再発したROS1 融合遺伝子陽性肺腺癌の1 例

2021 
症例は73 歳,女性。他院で54 歳時に右肺下葉切除術を施行され,原発性肺腺癌(pT1N0M0,Stage ⅠA)と診断された。その後は再発なく経過していたが,術後19 年目に呼吸困難を自覚して当科へ紹介された。画像上,両側鎖骨上・縦隔・肺門リンパ節腫大を認め組織診で再発肺腺癌と診断し,ROS1 陽性であった。crizotinib を開始したところ腫瘍は消失,完全奏効となった。非小細胞肺癌術後5 年以降の無再発例は一般的に予後良好とされている。しかしながらROS1 融合遺伝子陽性肺癌はまれで,その臨床像は不明な部分も多く術後遠隔期再発に留意した経過観察が必要であることが示唆された。
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