FOLFOX4 療法が奏効したS 状結腸癌腹膜播種転移の1 例

2008 
症例は62 歳,女性。便柱の狭小化,下血,下腹部痛を主訴に2006 年3 月に当院を受診し,S 状結腸癌による腸閉塞と診断された。肝表面に腹膜播種と腹水を認め,CEA が663.7 ng/mL と高値であった。4 月中旬に人工肛門を造設し,大網の結節の病理診断は中分化型腺癌であった。4 月下旬よりFOLFOX4 療法を開始,4 クール後の6 月の注腸造影で原発巣はPR となり,2007 年4 月まで16 クール施行しPR が持続したが,その後grade 3 の末梢神経障害を認めたため5 月よりsecond-line としてS-1 を開始した。4 クール後にPD となったため,third-line としてS-1+CPT-11 療法に変更した。全経過でgrade 3 以上の有害事象は末梢神経障害と白血球減少のみで,治療開始から24 か月後の現在も外来通院中である。FOLFOX4療法は,腹膜播種を伴う進行大腸癌に対して有効であると考えられた。
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