Traxanox sodiumの気管支および腹腔アナフィラキシーによるSRS-A遊離に対する作用

1983 
traxanoxのslow reacting substance of anaphylaxis(SRS-A)遊離1こ対する作用をin vivoでdisodium cromoglycate(DSGG)と比較検討した.mepyramine(2.5mg/kg,i.v.),indomethacin(1mg/kg,i.v.)およびpropranolol(0.05mg/kg,i.v.)で前処置したegg albumin感作モルモットに抗原を静脈内投与でchallengeすると強い気管支収縮が惹起された.この気管支収縮はSRS-A拮抗薬FPL55712(2.5mg/kg,i.v.)の前処置で,ほぼ完全に抑制された.さらに,lipoxygenase阻害薬BW755C(10mg/kg,i.v.)もこの反応を有意に抑制した.これらの成績から,このアナフィラキシー性気管支収縮力内因性のSRS-Aの遊離によるものであることが示唆された.この実験モデルに対して,traxanox(5および10mg/kg,i.v.)は用量に依存した抑制作用を示したが,DSCG(10mg/kg,i.v.)は抑制作用を示さなかった.FPL55712(1 mg/kg,i.v.)を気管支収縮のpeak時に投与した時,緩解作用を示したが,traxanox(10mg/kg,i.v.)にはこのような作用は認められなかった.IgEによる受動感作ラット腹腔アナフィラキシー(PPA)で,traxanox(0.01~10μg/ラット,i.p.)は用量に依存してSRS-Aおよびhistamineの遊離を抑制した.traxanoxの抑制作用はDSGGの約10~20倍強力であった.traxanox(0.1μg/ラット,i.p.)はPPAのSRS-A遊離に対して,isoproterenol(0.01μg/ラット,i.p.)と相乗的な抑制作用を示し,theophylline(100 μg/ラット,i.p.)とは相加的な抑制作用を示した.以上の成績から,traxanoxはin vivoでSRS-A遊離を抑制し,アレルギー性の気管支喘息の治療に有効であると思われる.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    2
    References
    5
    Citations
    NaN
    KQI
    []