The Syntax Abilities of Children and Adolescents with Down Syndrome

2002 
知的障害児者の中でも早期に診断され, 言語発達の様々な側面に障害を持つとされるダウン症児者の構文について, 独自に考案した検査を用いて, 発達の特徴を探った.男子11名, 女子9名の計20名のダウン症児者 (生活年齢11歳4ヵ月~19歳11ヵ月) に, 6種の格助詞 (主格「が」, 対格「を」, 場所格「で」, 付着格「に」, 起点格「から」, 道具・手段格「で」) と2種の態 (受動態, 使役態) の表出, 対格「を」と態の理解, 状況説明における文の長さと文法形態素の出現比率, 文法形態素の誤りの有無を検査した.その結果MAに該当する年齢の健常児に比し, MA3~4歳群を除き, 文の長さ, 文法形態素の出現比率に健常児との差がみられなかったが, 個々の文法形態素の表出や理解の習得が健常児より1年から3年遅れ, 文法形態素の誤りが多かった.したがって, ダウン症児者の構文は発達の量的な遅れに加え, 質的な遅れがあることが予想された.また, MA5~6歳では構文発達のごく初期のレベルにしか到達しておらず, MA7~8歳が構文を習得してゆくために必要な発達レベルと考えられた.
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