A Case of Coronary Artery Bypass Grafting with Essential Thrombocythemia

2007 
今回われわれは,本態性血小板血症(essential thrombocythemia: ET)を合併した冠動脈バイパス術(CABG)を経験した.症例は73歳の男性,狭心症精査入院でLMT(左主幹部)を含む3枝病変を認め,CABGを予定したが血液データ上,3系統の血球異常を認め,ETと診断された.ETは慢性骨髄増殖性疾患に分類され血小板異常による出血傾向,血栓傾向の両面を併せもつ疾患である.ETを合併する虚血性心疾患は血栓による心筋梗塞の例が多く,狭心症で冠動脈の血行再建を要する症例は少ない.ETを合併する症例に対するCABGでは周術期の出血と術後のグラフト閉塞が問題となる.DNA合成阻害剤であるヒドロキシカルバミドを用い血小板数,機能をコントロールし,CABGを施行し良好な経過を得た.術後7年を経過した今も心事故およびETによる合併症もなく元気に社会生活を営んでおり,若干の文献的考察を加え報告した.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    1
    Citations
    NaN
    KQI
    []