Squamous Cell Carcinoma Associated with the Destruction of Sacral and Iliac Bones after a Severe Impact Injury.

1994 
40年前の仙骨部外傷の後に多発性瘻孔を形成し, 有棘細胞癌が続発した62歳の男性を報告した。腫瘍の大部分は感染を伴い, 仙骨, 腸骨を中心に拡大する特徴があり, 外傷の既往を考え合わせると, 骨髄炎に続発したものと推測された。放射線療法, 化学療法を行ったところ, 潰瘍, 腐骨の生検では腫瘍細胞を認めなくなった。同時にSCC関連抗原も2ヵ月間正常域を維持したため, 感染病巣除去を目的として手術を施行した。しかし, 骨内の感染病巣は広範囲におよび, 十分に除去できなかった。その後, 残存した有棘細胞癌が再び増大し, 入院21ヵ月後に死亡した。治癒を目指すには徹底的な手術療法が必要であったと考えられるが, 病変の広さと持続する感染を考えると, その適応の決定は困難である。
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