Production of Taxol and Related Taxoids by Callus Culture of Taxus cuspidata.

2002 
再生可能資源として入手の容易な日本イチイ(Taxus cuspidata)を新規抗癌剤Taxol®(Paclitaxel)(1)ならびに1の関連タキソイドの供給源として検討するため,日本イチイから誘導したカルス(イチイ培養細胞)に着目し,カルスの誘導方法,安定した増殖培養条件,1ならびにその関連タキソイド類の分離,生産方法を検討した. その結果,イチイカルスの誘導および安定した増殖を示す培養条件を見いだし,その生産物の抽出,分離方法を詳細に検討することにより,Taxol(1)を含め1の生合成における中間段階と考えられるタキソイド合計10種類とアビエタン1種類を単離同定した.また,本カルスはイチイ樹皮の含有量に匹敵する1の生産(乾燥カルス基準で0.01%)と,低酸化度のタキソイドTaxuyunnanine C(2)を始めとするその14位同族アシル化体3–6を極めて高い収率(乾燥カルス基準で総計0.49%)で生産しており,この結果は1の本カルスによる生産の可能性ならびに1および1の修飾化合物へのタキサン骨格供給源としての可能性を示唆する.
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