A Case of Erythroderma Associated with Hepatocellular Carcinoma

2005 
症例は67歳の男性で, 平成15年9月中旬より皮膚の乾燥と掻痒感を自覚し, 9月27日当院の皮膚科を受診した. 全身皮膚の潮紅と落屑を認め, 紅皮症と診断され, 10月1日皮膚科に入院した. 紅皮症の治療とともに内臓悪性腫瘍の検索を行い, 肝右葉にSOLを認め, 検査の結果, 肝後区域に6cm大の非B非C型の肝細胞癌を認めた. 12月12日, 肝右葉切除, 胆摘を行い, 術後経過良好にて第16病日に退院となった. 右葉の腫瘍は, 高分化型肝細胞癌で多結節癒合型腫瘤であった. 術後, 皮膚の掻痒感は著明に改善し, 皮膚病変も軽快した. 本邦における内臓固形癌に随伴した紅皮症の報告は自験例も含め63例で, 肝癌に随伴した紅皮症は自験例が2例目である. 紅皮症では内臓悪性腫瘍の合併率が通常より高率であり, 原因不明の紅皮症症例では, 内臓悪性腫瘍が合併している可能性も考慮し, 積極的に全身検索を行う必要がある.
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