A CASE OF CHRONIC CHOLECYSTITIS WITH A DUODENAL STENOSIS MIMICKING GALLBLADDER CARCINOMA

2006 
胆嚢炎波及による十二指腸球部狭窄の1例を経験した.症例は72歳,女性.嘔吐を主訴に紹介され,上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部前壁に易出血性の腫瘤と狭窄を認めた.腹部CTでは胆嚢壁が全周性肥厚し十二指腸球部との境界が不明瞭で,また胆嚢周囲に腹膜播種を疑う小結節がみられた.以上より胆嚢癌の十二指腸浸潤を疑った.術前は根治切除の可能性は低いと考え胃空腸吻合術を予定したが,術中迅速病理で胆嚢が癒着した壁側腹膜および大動脈周囲リンパ節に悪性所見を認めなかったため,肝床切除兼膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本の病理組織診断でも悪性所見なく,胆嚢と十二指腸球部に炎症細胞浸潤,膿瘍ならびに肉芽腫形成を認め,慢性胆嚢炎の十二指腸への波及に伴う球部狭窄と診断された.時として胆嚢炎と胆嚢癌の鑑別に難渋することがあるが,十二指腸狭窄をきたすほどの胆嚢炎の報告例は稀であるため報告する.
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