右房内血栓を認めた慢性肺動脈血栓塞栓症に対する肺動脈血栓内膜摘除術,右房内血栓摘出術,三尖弁輪縫縮術,メイズ手術の1例

2007 
きわめてまれな右房内血栓を合併した慢性肺動脈血栓塞栓症の手術例を報告する.症例は56歳,男性.慢性肺動脈血栓塞栓症に対して下大静脈フィルター挿入,ワーファリン内服,在宅酸素療法を行ったが呼吸苦が増悪した.心房細動を認め,心エコーで右心系の著明な拡大と右房内腫瘤,高度の三尖弁閉鎖不全症を認めた.造影CTでは右房内の血栓を疑う陰影と,肺動脈内の広範な血栓を認めたため手術を施行した.人工心肺を使用し心停止とし右房の陳旧性血栓を摘出,超低体温循環停止を併用して肺動脈内の血栓と肥厚した内膜を剥離摘除した.また三尖弁輪縫縮術,右側メイズ手術を同時に施行した.経過は良好であり在宅酸素療法を離脱した.三尖弁輪縫縮術,メイズ手術の同時施行は術中術後の循環,呼吸状態の安定に寄与したものと考える.
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