A CASE OF MULTIPLE PRIMARY PARATHYROID CARCINOMA

2003 
多発性副甲状腺癌の症例を経験したので報告し,術前診断の可能性を検討した.過去に多発例の報告はなく,本邦初と思われる. 2腺の腫大を認め,一方の腫瘍が転移である可能性は考えにくく,両腺とも原発性癌と診断した.術前,画像上甲状腺への明らかな浸潤所見のない場合,または転移巣のない場合は癌の診断は困難であるが,本症例では大きさが21mmであったことが唯一癌を疑う点と思われる.病理学的に副甲状腺癌は細胞異型より構造異型で診断される.術中所見や術中迅速病理は当てにならないため,術後の永久病理標本で初めて副甲状腺癌の診断がついた場合は,追加手術をするかまたは慎重な経過観察が必要と思われる.鏡視下手術の適応は慎重に選択すべきであり,被膜を損傷しないことが大切である.
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