Assessment of gastric emptying and small bowel transit time in hemodialysis patients

1986 
血液透析患者では悪心, 嘔吐, 便秘などの消化器症状がよくみられる. 透析患者23名 (非DM群11名, DM群12名) で胃排泄能を, 16名 (非DM群8名, DM群8名) で小腸通過時間を測定し, 種々の検討を加えた.胃排泄能はHeading, 原沢らのアセトアミノフェン法45分値を用い, アセトアミノフェン濃度はRouthらのdye methodで測定した. 健常人は11.2±1.6μg/ml (mean±SE), 非DM群は8.9±1.3, DM群は5.5±0.9であり, DM群と健常人, DM群と非DM群には有意差 (p<0.05) がみられた. DM群での胃排泄能の低下は糖尿病性自律神経障害によるものと推測される. DM群の8例に対し消化管運動機能賦活剤ナパジシル酸アクラトニウム (アボビス®) を服用させ, 胃排泄能の比較検討を行った. アボビス投与後は有意差 (p<0.05) をもって胃排泄時間の改善がみられ, アボビスの臨床的有用性が示唆された. 5症例においてアセトアミノフェン法終了後に血液透析を行い, 透析前後でのアセトアミノフェン濃度を測定したところ比較的すみやかな排泄傾向がみられた. なお検査終了後全例において肝障害の出現はみられなかった.小腸通過時間はBond, 斎藤らのラクツロースを用いた呼気中水素ガス濃度の測定により判定した. 健常人が80±10分 (mean±SE) に対し, 非DM群は85±10, DM群は82±9で, 非DM群, DM群とも健常人と差がなかった. 3例において透析開始1時間後から同様の検査を行い, 血液透析の小腸通過時間への影響を検討した. 1例は60分で不変, 他の2例は10分の延長を認めた.胃排泄能と小腸通過時間の双方を検討した例は非DM群3名, DM群6名の計9名であったが両者には相関を認めなかった.
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