老年者における bedrest が糖質, 脂質, アミノ酸代謝, ことに糖質の代謝位相に及ぼす影響について

1977 
生理的活動の減少 (bedrest) が物質代謝, ことに糖質を中心とした代謝位相に及ぼす影響を老年者群, 若年者群について比較検討した. 空腹時血糖, インスリン値は bedrest 1~2週間は変化を示さないが, 3~4週になると上昇傾向を示した. OGTTの血糖曲線は bedrest 後, 週をおって上昇し, 頂値の遅延をきたスリン値も亦高反応を示した. かかる血糖, 血中インスリン値の異常所見は, 若年群より老年群で著明であっし, インた. インスリン感性指数は bedrest により低下した. その低下は老年群に, より顕著であった. 長期 bedrest 時, 老年群でハ明かな血中インスリンと中性脂肪値の増加を認め, 両者間に正の相関を示した. 血清遊離アミノ酸は bedrest により増加した. 若年群は老年群より高値を示したが糖原性, 分枝アミノ酸の増加は殊に著明であった. かかる bedrest による代謝異常は bedrest の長引くと共に鮮明化するものが多いが又加齢と共に増強の傾向を示した.以上の所見より bedrest 期の糖代謝異常は, 末梢細胞の変調に由来した一つの代謝位相であり, 加齢により一層顕著となることが示唆された. 糖利用の障害は極めて短い bedrest 後にも現われ得るので, 身体活動減少時の代謝に及ぼす役割りについては, 病者が床を離れ得ない程安静の必要ある患者の場合には, 殊に考慮されるべきである.
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