大型FBRにおける原子炉容器上部プレナムガス巻き込み防止対策の検討(II) Baffle Ring設備およびPorous UIS設備の検討

1992 
大洗工学センター技術開発部プラント工学室では,電気事業者によるFBR実証炉の設計研究を適切に支援するため,大型FBR設計研究の一環として,電気出力60万kW級のプラントを対象に設計研究作業を実施してきている。この内,上部プレナム内に発生する熱流動挙動は,プラント設計自体に直接影響を及ぼすと考えられることから,平成2年度より単相多次元熱流動解析コードAQUAを用いた評価解析を継続して実施してきている。平成4年度上期の作業では,液面近傍流速低減化方策の一つとしてBaffle Ring設備及びPorous UIS設備を取り上げ,その有効性を明かした。具体的には,原子炉容器壁へのBaffle Ring設備とPorous型UIS設備を検討の対象とし,以下の結果を得た。〔Baffle Ring設備〕(1)原子炉容器壁に設置するBaffle Ring幅は,20cmの場合よりも40cmとした場合の方が液面近傍流速低減化に有効である。(2)上記設備の採用により,液面近傍最大流速を約40cm/sまで低減させることができる。〔Porous UIS設備〕(1)UISスカート部とUIS胴上部との流配は,50%-50%とした場合が最も効果的に液面最大流速を低減化することができる。(2)上記設備の採用により,液面近傍最大流速を約52cm/sまで低減させることができる。更に,上記解析結果を踏まえ,ガス巻き込み防止のための原子炉構造として,Bafflering設備(40cm幅times2段)とPorous UIS設備(流配条件50%-50%)との組み合わせを提案し,解析を行った。この結果,液面近傍最大流速値として,約0.33m/sが得られた。
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