Strategy for the Possible Microscopic Liver Metastasis of Colorectal Cancer. For the Future Gene Therapy for Colorectal Cancer.

1996 
マトリックスメタロプロテアーゼ (MMP)-2, 7, 9のmRNA発現を, 大腸癌手術標本を用いて観察した.その結果, MMP-7 (マトリライシン) mRNAは, 癌組織にのみ特異的に強く発現し, その発現量は大腸癌の進展度に伴い増加し, 肝転移巣においても非常に強く発現していた.そこで, マトリライシンmRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを設計, 合成し, 大腸癌の浸潤, 増殖に及ぼす影響を検討した.アンチセンスオリゴはマトリライシン産生直腸癌細胞株CaR-1のマトリライシンmRNA発現を特異的に抑え, 濃度依存性にその浸潤および増殖能を抑制した.以上の臨床および基礎データから, マトリライシンは大腸癌の浸潤, 転移に関わるものと考えられ, 現在, マトリライシンmRNAのアンチセンスオリゴを肝動注投与することにより, 微小肝転移の増殖抑制および肝内への浸潤抑制の可能性について検討している.
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