個人用重炭酸透析液 (キンダリー液AF-DB号) の使用経験
1981
重炭酸透析液キンダリー液AF-DB号を重炭酸透析液供給の行える単身用供給装置Drake-Willock BD7000を用いて透析液を作製し, 透析液の安定性及び酢酸透析液との臨床効果を比較検討した.長時間, 長期間の供給装置運転により作製される透析液の安定性は, 電解質, pH共に安定しており, カルシウム等との不溶性沈殿も生じなかった.慢性血液透析患者について透析中の血液ガスの推移を検討すると, 重炭酸透析では, 開始後すみやかにpH, HCO3共に正常値に復したが, 酢酸透析では正常化が遅延し, HCO3濃度は透析終了時も正常値とならなかった.循環動態に対する影響は, 酢酸透析では, MAP (平均動脈圧), TPRI (全末梢抵抗指数) は有意の低下がみられるが, 重炭酸透析では変化がなく, 酢酸による末梢血管抵抗の低下が示唆された.長期透析による窒素終末代謝産物除去能, 電解質異常是正能は, 酢酸透析と重炭酸透析との間に差が認められなかった.透析中の愁訴発現率は重炭酸透析で低率を示し, 特に酢酸が原因と考えられる血圧低下等の発現率が低かった.全期を通じてキンダリー液AF-DB号が原因となる機械的トラブルは認められなかった.
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