研究者の学びの真正性の活用 : 共同研究(第一年次~第三年次)の総括
2017
本稿は,2014 年から2016 年の3 カ年にわたる共同研究の成果を総括したものである。第一年次(2014 年度)は,専門科学者と大学院生+教育研究者が1つのグループになって,専門科学者の指定した論文読解を大学院生が読解し,その論文の内容理解だけではなく,論文の構造と研究者の学びの構造を発見することを目指した。第二年次(2015 年度)は,同一研究者,あるいは,同一領域における2 つの論文を選択し,2つの以上の論文を比較考察することで,同一研究者における,あるいは,同一領域における学びの構造の異同,歴史的変化を検討した。第三年次(2016 年度)は,論文や著書を読解し,単元(授業)づくりへ至る教師の活動を即した教材研究における論文読解の構造と単元(授業)づくりへの活用構造の関係を解明した。
これらの研究成果として,次の点を明らかにした。
(1)専門科学者の研究論文には,研究者の学びが表現されている。
(2)研究者の学びは,論文の構成とその内容に示されている。
(3)研究者の学びを取り出すには,論文の構成と内容から,著者=専門科学者の学びを取り出すことができる。
(4)研究者の学びは,研究領域ごとに,それぞれの構造をもっており,その構造を発見し取り出すことができる。
(5)研究者の学びの構造から授業(単元)づくりへの移行には,①その内容の転用,②内容そのものの構造の転用,③内容構造の基本コンセプトの転用,の3 タイプがある。
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