Tpath2 細胞を起点とした慢性気道炎症誘導機構―気道上皮とのクロストーク

2018 
アレルギー性疾患は全世界で患者数が増加傾向にあり,病態の解明とその制御が喫緊の課題である.アレルギー性疾患のなかでもアレルギー性気道炎症は,マウスを用いた疾患モデルが確立しており,精力的な基礎研究が行われている疾患のひとつである.近年の研究から,ヘルパーT 細胞の多様性や可塑性が疾患の病態形成に深く関与していることが明らかになった.さらに,2 型免疫応答を誘導するあらたな細胞集団として2 型自然リンパ球(ILC2)が同定された.また,単なる物理的バリアとして考えられていた粘膜上皮細胞が,“上皮サイトカイン”を発現することで積極的に2 型免疫応答誘導に関与していることが明らかになるなど,アレルギー性疾患の病態解析は日進月歩で発展している.本稿では,著者らの研究室で精力的に研究を行っている記憶型病原性Th2(Tpath2)細胞に焦点を当て,同細胞集団が慢性アレルギー性気道炎症の病態形成にどのように関与しているかを概説する.さらに,上皮サイトカインの一種であるIL-33 と記憶T 細胞のクロストークによる気道炎症病態形成機構について紹介する.
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