CPT-11/S-1術前化学療法が奏効し根治切除し得た進行胃癌の1例

2007 
進行胃癌に対する確立された補助化学療法はいまだに存在しない。今回われわれは,大型3型進行胃癌に対しCPT-11/S-1の併用による術前化学療法を施行し,リンパ節転移巣に著効,根治切除可能であった1例を経験したので報告する。症例は69歳,女性。食道浸潤を伴う胃体部小弯の3型進行胃癌であり,CT にて噴門部胃壁の著明な肥厚およびNo.3リンパ節の腫大を認めcT 3, cN 1, cM 0, cStageIIIA と診断された。CPT-11/S-1併用による術前化学療法を2コース施行した。2コース後のCT にて胃壁肥厚の改善,No.3リンパ節腫大の縮小を認めた。手術所見では明らかなリンパ節腫大は認めず,胃全摘術,脾臓摘出術,胆嚢摘出術,D 2郭清を施行した。病理診断は,pT 2(MP), pN 1, pStageIIであり,化学療法の効果判定はGrade2であった。術後経過は良好であり,退院後S-1投与を開始し術後8か月を経過した現在,明らかな再発は認めていない。CPT-11/S-1併用術前化学療法は比較的安全に施行可能で,downstaging や腫瘍のviability低下により根治性が向上し,術後生存期間の延長が期待できる治療法であると考えられた。
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