Von Meyenburg complexを伴ったCaroli病の1例

1997 
症例は59歳, 男性. 左下腹部痛で近医を訪れ, 腹部超音波検査で左肝内胆管の拡張を指摘され, 当科へ入院となった. 腹部CT, MRI, ERCPにて肝内胆管左外側枝に拡張がみられ, 左外側下枝に一部陰影欠損像を認めた. Caroli病を疑ったが, 肝内胆管癌も否定できないため肝左葉外側区域切除術を施行した. 組織学的には, 胆管内腔の円柱上皮は扁平化していたが, 腫瘍性の変化はみられず, Caroli病に矛盾しない像であった. また, 拡張した胆管の近傍に若干の線維化を伴う小胆管の増生がみられ, von Meyenburg complex (VMC) と考えられた. Caroli病とVMCはともに肝胆道系の線維性多 胞性疾患の一つであるが, 両者の合併例の報告はきわめて稀であり報告する.
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