Cytologic diagnosis of solid acinic cell carcinoma of salivary gland.

2002 
目的:腺房細胞癌は多彩な細胞形態を示す一方で, 正常腺房細胞に類似して異型性が乏しいため, 確定診断に苦慮することが多い. そこで腺房細胞癌の診断に有用な細胞所見について検討した.方法:充実型腺房細胞癌の細胞像を細胞集塊の構造および構成細胞を中心に検討し, その細胞学的特徴を病理組織学的所見と対比した.成績:細胞学的に, 出現していた細胞集塊は腺房様集塊, ロゼット様集塊, 腺腔および乳頭状様構造を示す集塊, 血管結合織を含む集塊に分類された. 病理組織学的に全例が充実型の腺房細胞癌と診断されたが, 一部に腺腔形成や嚢胞がみられた. 嚢胞を形成する部分では, 内腔に腫瘍細胞が偽乳頭状に増殖していた. 再発例では腫瘍細胞が周囲組織に浸潤していた. 免疫組織化学的検索では, 腫瘍細胞はアミラーゼ染色陽性, CD34染色で毛細血管が多数確認できた. Ki-67染色陽性率は原発例が5%未満であるのに対し, 再発例では約10%であった.結論:検討した5種類の細胞集塊を観察することが腺房細胞癌を診断する上で役立つと考えられた. 唾液腺腺房細胞癌の細胞診断は, 個々の細胞異型よりも, 細胞の出現様式, 細胞集塊の構造および構成細胞所見を総合的に判定することが肝要である.
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