乳酸アシドーシスを繰り返すミトコンドリア遺伝子異常透析患者にアセテートフリーバイオフィルトレーション (AFB) を施行した1例

2007 
ミトコンドリア遺伝子異常患者では, ミトコンドリア内エネルギー代謝障害により, 乳酸, ピルビン酸が蓄積され, 乳酸アシドーシスとなり, さまざまな障害をひきおこす. 本症例は, 糖尿病, 腎不全, 難聴, 進行性の肥大型心筋症を合併したミトコンドリア遺伝子異常透析患者で, 維持透析へ移行後も乳酸アシドーシスを伴ううっ血性心不全を反復していた. 血液濾過透析 (HDF) へ変更してもなお透析中の血圧低下, 苦痛, 著明な疲労がみられたため, 透析法をアセテートフリーバイオフィルトレーション (AFB) へ変更したところ, 循環動態, 血液パラメーター, QOLの改善をみた. また, 乳酸アシドーシスの程度の指標である乳酸/ピルビン酸比は, AFB後明らかに減少していた.
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