さまざまな血圧パラメータ(血圧変動も含む)―どの値が臨床的に有用か

2017 
高血圧は日本人の心血管イベントに対する最大のリスク因子であり,24 時間にわたる厳格な血圧コントロールが重要である.「高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)」では診察室外血圧測定が重視され,家庭血圧測定や24 時間自由行動下血圧測定の普及とともに,白衣高血圧や仮面高血圧という概念が広く認識されるようになった.仮面高血圧の病態のなかでも早朝高血圧と夜間高血圧は臓器障害や心血管イベント発症と密接に関連しており,積極的な治療介入が必要である.血圧変動性の増大は臓器予後と関連するが,その背後には全身血行動態アテローム血栓症候群(SHATS)の病態があり,SHATS を構成する血管障害と血行動態ストレスの2 つの要素は相乗的に悪循環を加速させ,心血管イベントのトリガーとなる.SHATS の病態のなかでも,まずは早朝高血圧を治療ターゲットにすることがSHATS の悪循環を断ち切るうえで重要である.そして“予見先制医療(anticipation medicine)”こそ,“心血管イベントゼロ”をめざしたパーフェクト個別医療につながる手段であると考える.
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