退形成性膵管癌と鑑別の難しかったfibrosarcoma like appearanceを示す膵未分化癌の1例

2005 
症例は77歳, 男性. 体重減少を認め, 近医を受診したところ, 腹部CTで膵体部に約4cmの腫瘤を認め, 膵体尾部切除が行われた. 腫瘍は肉眼的に被膜形成を伴う腫瘍で, 組織学的に類円形から紡錘形のほぼ均一な形状の腫瘍細胞が充実性に増殖を示し, 大部分は錯綜構造を呈し線維肉腫様であった. 一部には上皮様結合を示す部分も認められた. 免疫組織化学的に腫瘍細胞は肉腫様部分でvimentinが陽性を示し, 上皮様結合を示す部分にのみCytokeratin陽性を認めた. また粘液産生は検出されず, CEA, α-1-antitrypsin, NSE, chromogranin A, α-smooth muscle actin, S-100, CD34は陰性であった. 上皮様結合を示す部分と線維肉腫様部分には移行像がみられ, 本症例は膵管上皮の性格を持つ未分化な癌が, 線維肉腫様に脱分化した膵未分化癌と診断した.
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