EXAFS による Zr-モンモリロナイト層間化合物の局所構造の解析

1988 
塩化ジルコニウムイオンをモンモリロナイトの層間の陽イオンと置換して合成した Zr-層間化合物の局所構造を EXAFS により調べた。シンクロトロン放射光を励起源として Zr の K 吸収端近傍におけるX線吸収スペクトルを調製条件の異なる2種の層間化合物, ZrOCl2 水溶液および ZrO2 について測定した。層間化合物の EXAFS スペクトルを Fourier 変換した動径分布には約 2.1Åと 3.5Åにそれぞれ Zr-0 および Zr-Zr 結合による2本のピークがみられ, 層間においても多核の錯イオンが形成されていることが明らかとなった。Zr 原子の四核からなるイオンを形成する水溶液中の動径分布と比較するとモンモリロナイトの層間中では十分にイオン交換した試料では四核, 交換量の少ない試料では二核の化合物が存在すると考えられた。最大エントロピー法を利用したところ, Zr-0 結合のピークに Zr-OH および Zr-OH2 による微細構造が見いだされた。この試料を 500℃ に加熱すると, 長距離側のピークが消失して層間に酸化物の微小粒子を生成することが示された。
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