小肝細胞癌の動脈性vascularityと組織所見:CO2動注US angiographyおよび切除標本による検討

1991 
近年,超音波検査(US)では検出されるが血管造影では描出されない,いわゆるhypovascularな肝細胞癌(HCC)結節が増加してきている.今回,我々は3cm以下の切除HCC例について,術前にそのvascularityをCO2動注US angiographyにより検討し,組織所見と対比検討した.また,血管造影で描出不能であった13結節については,描出不能であった原因についての考察も合わせて行った.44結節のうちUS angiographyにてhypervascularに描出されたもの35結節(80%), isovascular 5結節(11%), hypovascular 1結節(2%), vascular spot in hypovascular patternに描出されたもの3結節(7%)であった.Edmondson I型の高分化型肝癌は,その半数が動脈血流成分に乏しく,Edmondson II~III型の中分化型HCCになるにつれて,hypervascularなものが増加した.血管造影陰性であった原因としては,(1)腫瘍の動脈性vascularityが乏しい(腫瘍血管が未発達),(2)被膜を欠く,(3) X線画像の限界,の3つが考えられた.
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