胃癌手術を契機に診断されたリンパ節浸潤を伴う胃壁内病変のMarginal zone B-cell lymphomaの1例

2011 
症例は78歳の男性で,腫大した頸部リンパ節の生検で炎症性リンパ節炎と診断された.1年後に発見された胃癌に対する全身精査で頸部,縦隔,傍大動脈リンパ節腫大を認めた.頸部リンパ節生検では癌の転移を認めず,標準的な胃切除術を施行したところ,胃癌病変の直下に小型異型リンパ球浸潤を認めた.免疫染色の結果から,marginal zone b-cell lymphoma(以下,MZBLと略記)と診断された.生検した頸部,傍大動脈リンパ節も同様に診断され,Extranodal MZBLと診断した.退院後にリツキサンを週1回,4週間投与し臨床的完全寛解となり,1年後のCTでもリンパ節は消失していた.胃切除より2年経過し,無再発生存中である.Extranodal MZBLの自然経過が観察された症例は珍しく,治療への反応性も従来報告を支持する経過であった.進行が遅いことと治療奏効性に関係があるかもしれない.
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