肺の同側空洞性2病変 (肺扁平上皮癌とアスペルギローマ) の一期的手術の経験

2001 
症例: 2年前よりDM内服加療中の64歳, 男性, 乾性咳噺を主訴として受診した. 胸部X線写真で右肺上葉と下葉に二つの空洞合併腫瘤を認めた. 胸部CTで右上葉にfungus ballの像, 下葉にniveauを呈する空洞形成型腫瘤を認めた. BALで上葉病変はアスペルギルス (以下Asp) の菌体を検出したが, 下葉病変はTLBLで術前診断できず, 開胸生検を行った. 下葉の腫瘤は扁平上皮癌と判明, P0 D0 E0, T2 N2 M0のStage IIIAで, 右中・下葉切除とND2aのリンパ郭清, Aspに対しては部分切除を行った.術後経過は良好で後療法目的に内科に転科した. Asp症と肺癌合併報告は比較的稀れであり, 報告の多くはAspまたは空洞型肺癌の切除後に空洞部の他の部位に癌腫あるいはAspが存在した症例がほとんどである. 本症は右肺上下葉の二つの空洞合併腫瘤が扁平上皮癌とアスペルギローマであり, 本症例に対し一期的に手術を行い良好な結果を得たので報告する.
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