HER2 陽性転移性乳癌に対するLapatinib,Capecitabine療法の有効性と安全性の検討

2012 
lapatinib,capecitabine 療法を施行したHER2 陽性転移性乳癌患者45 例を対象とし,retrospective にresponse rate(RR),time to progression(TTP),overall survival(OS),安全性について検討した。投与サイクルの中央値は6(1〜22)サイクルであった。脳転移は18 例(40%)に認め,前治療としてcapecitabine は19 例(42.2%)に投与されていた。objectiveresponse rate(ORR,CR+PR)は22.2%(10/45),clinical benefit rate(CR+PR+long SD≧24 w)は46.7%(21/45)であった。TTP の中央値は24.9 週(95% CI: 15.2-34.6),OS の中央値は78.1 週(95% CI: 55.7-100.5)であった。capecitabineの前治療の有無によるTTP の中央値は前治療ありで16 週,前治療なしで30 週(95% CI: 16.3-43.7)で有意差を認めた(p=0.0051)。OS の中央値は前治療ありで42.7 週(95% CI: 21.4-64),前治療なしでは中央値に達していなかったが,前治療なしのほうがOS が長い傾向を認めた(p=0.057)。再発に対する化学療法と併用したtrastuzumabのレジメン数別による解析では,TTP の中央値は2 レジメン以下で27.3 週(95% CI: 11.2-43.4),3 レジメン以上で16 週(95% CI: 15.8-16.2)と,2 レジメン以下で有意にTTP が良好であった(p=0.0257)。OSの中央値は2 レジメン以下で81 週(95% CI: 55.4-106.6),3 レジメン以上で40.9 週(95% CI: 24.9-56.9)であったが,有意差は認めなかった(p=0.26)。lapatinib,capecitabine療法は,重篤な副作用は認められず,capecitabine の治療歴がない症例や前治療歴が2 レジメン以下の症例に有用と考えられた。
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