1 型糖尿病(劇症1 型糖尿病を含む)

2017 
免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1 抗体)による免疫関連副作用として,まれではあるが1 型糖尿病がある.劇症1 型糖尿病および急性発症1 型糖尿病の両者が報告されているが,どちらも膵島β細胞の破壊によるインスリン分泌の低下が関与している.劇症1 型糖尿病は治療の遅れにより致死的な転帰をたどる恐れがある.著明な高血糖やケトアシドーシスを認める場合はもちろん,自覚症状がなく,空腹時や随時血糖の軽微な異常だけであっても,劇症1 型糖尿病の発症経過をみている可能性があるため,見逃さずに適切な対処が必要である.診断を疑った時点で,速やかに糖尿病専門医・内分泌代謝科専門医にコンサルトし,インスリン治療を考慮する.早期発見には,ルーチンに血糖測定と尿一般検査を行うとともに,患者には劇症1 型糖尿病を含む1 型糖尿病の可能性や症状についてあらかじめ十分に説明し,普段と違う症状を自覚したら受診またはただちに連絡するよう指導することが重要である.
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