[A case of Cruveilhier-Baumgarten syndrome. The elucidation of collateral vessels of the portal system by magnetic resonance image].

症例は54才,女性.食道静脈瘤破裂で入院した肝硬変の症例で,前胸部から心窩部にかけて連続性の血管雑音を聴取した.腹部エコー,胸・腹部CTスキャン,腹腔動脈,上腸管膜動脈造影にて,胸・腹壁静脈,〓(傍〓)静脈,門脈系の著しい怒張を認め, Cruveilhier-Baumgarten症候群と診断した.さらに, magnetic resonance imageを行ない,門脈側副血行路を連続的に,胸・腹部を同一平面上に,しかも,横断,冠状,矢状の三方向より立体的に証明しえた. magnetic resonance imageは,造影剤を用いることなく,非侵襲的に血管系を明瞭に描出でき,本症例においても,門脈側副血行路の解明にきわめて有用であったので報告した.