Computer Modeling of Carbohydrate Molecules

2005 
糖質分子を対象としたコンピュータによる分子モデリングはタンパク質に匹敵する長い歴史を持つが、現在でも糖質分子の複雑さと多様さゆえに幾つかの解決すべき問題点が残されている。糖質分子は水酸基で代表される極性官能基を多く持ち、立体構造の柔軟性が高く、さらにアノメリック効果、エキソアノメリック効果、ゴーシュ効果のような立体配置・立体配座に依存する電子構造変化が生じる。このような糖質分子の立体化学的特性を再現するために糖質専用の分子力場が、あるいは汎用力場に対しては糖質パラメーターが開発された。糖残基上の水酸基は水分子と水素結合を形成するため、水和環境が糖質分子の立体構造に影響すると推定される。実際、溶媒和分子動力学計算において水分子が介在する恒常的な残基間水素結合が観察された。また、グリコシド結合回転に由来する柔軟性により糖質分子は水溶液中で容易に配座変換を生じるため、立体配座解析により可能な立体配座を網羅的に生成し、それらの立体エネルギーを評価することが必要とされた。一方、糖質分子は構成残基や置換基の多様性、および分岐構造の形成等により複雑で大きな立体配座空間を生じる。その様な立体配座空間を効率良く探索するための探索アルゴリズムが提案された。
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