住環境と“健康日本21(第二次)

2019 
国土交通省は厚生労働省との連携のもとに,2014 年度から“スマートウェルネス住宅等推進調査事業”に取り組んでいる.断熱改修などによる生活空間の温熱環境の改善が,居住者の健康状況に与える効果について検証することを目的としている.5 年間の事業によって,①室温が年間を通じて安定している住宅では居住者の血圧の季節差が顕著に小さい,②居住者の血圧は部屋間の温度差が大きく,床近傍の室温が低い住宅で有意に高い,③断熱改修後に,居住者の起床時の最高血圧が有意に低下,④室温が低い家ではコレステロール値が基準範囲を超える人,心電図の異常所見がある人が有意に多い,⑤就寝前の室温が低い住宅ほど,過活動膀胱症状を有する人が有意に多い.断熱改修後に就寝前居間室温が上昇した住宅では,過活動膀胱症状が有意に緩和する,⑥床近傍の室温が低い住宅ではさまざまな疾病・症状を有する人が有意に多い,⑦断熱改修に伴う室温上昇によって暖房習慣が変化した住宅では,住宅内身体活動時間が有意に増加する,などの知見が得られつつある.
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