重症肺高血圧, 難治性心室頻拍を伴った梗塞後左室瘤に対する Dor 手術の1例

2001 
肺体動脈収縮期圧比70%の重症肺高血圧, 難治性心室頻拍 (VT) を合併した梗塞後左室瘤に対して, 心内膜梗塞瘢痕部の切除および cryoablation を伴う Dor 手術を施行した. 難治性VTが消失した点においては有効であった. しかし, 心収縮能は比較的良好に改善したものの拡張能の改善はなく, 低左心機能および重症肺高血圧は残存した. 僧帽弁閉鎖不全症を伴わない, あるいは肺血管病変を伴う肺高血圧症例においては, 術後の左心拡張能の改善があまり期待できないことから, 十分 Dor 手術の適応を考えるべきで, かかる症例に対しては心臓移植を含めて慎重に検討していく必要があると考えられた.
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