膵内分泌腫瘍の診断と内科的治療 : 3. その他の稀な機能性膵内分泌腫瘍

2008 
膵内分泌腫瘍では非機能性腫瘍の頻度が最も高く,インスリノーマ,ガストリノーマと続く.その他のホルモン産生腫瘍は極めて稀であり,特異的なホルモン過剰症状を呈さないものも多く,術前に診断できるものは少ない.最終的には切除標本による免疫染色でホルモン産生を証明する必要があるが,検索が不十分であると非機能性腫瘍と診断されてしまうことがある.また単一のホルモンのみではなく複数のホルモンを産生するものの頻度が比較的高いことを認識しておく.稀な機能性膵内分泌腫瘍の画像上の特徴は,頻度の高い腫瘍と基本的には変わらない.またその半数以上が肝·リンパ節転移を伴う悪性腫瘍であり,転移巣を含めた切除術を第一に検討する.切除不能進行·再発例にはストレプトゾトシンを中心とした化学療法,ソマトスタチンアナログ,分子標的治療剤が使用される.産生されるホルモンにより治療選択が違うわけではないが,ソマトスタチノーマにはソマトスタチン受容体の発現がないため,ソマトスタチンアナログの効果は期待できない.
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