Two Cases of Goblet Cell Carcinoid of the Vermiform Appendix.

1995 
今回われわれは虫垂杯細胞カルチノイドの2例を経験したので報告する.症例は46歳の男性と41歳の男性である.2例とも虫垂炎の診断で虫垂切除術を行った.術後の病理検査で虫垂杯細胞カルチノイドと診断されたため, ともに右半結腸切除術を追加した.しかし, 切除標本には腫瘍細胞を認めず, リンパ節転移も認めなかった.2例は術後約2年2か月, 約2年を経過しともに再発の徴候はない.虫垂の杯細胞カルチノイドはまれな疾患である.本邦ではわれわれの症例を含めて31例が報告されている.多くの症例は急性虫垂炎の診断で手術されているが進行した症例では回盲部腫瘍と術前に診断されていた症例も認められる.治療は虫垂切除術のみで経過観察されている症例と回盲部切除術や右半結腸切除術が行われた症例に分けられるが, 転移, 再発を認めた症例が多く, 病期によっては積極的な外科治療が必要と考えられる.
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