ニッケルアセチルアセトナート-トリエチルアルミニウムセスキクロリド-トリフェニルホスフィン触媒によるプロピレンの二量化反応

1971 
Ni(acac)2-Al2(C2H5)3Cl3-P(C6H5)3触媒によるプロピレンの二量化反応におよぼす反応条件の影響を調べ, その反応機構について考察を行なった。二量体分布は Ni:Al2:P=1:45:16 のモル比において反応温度を -50から40℃ まで変化させたところ, 温度の上昇とともに 2-メチルペンテン類 (主生成物, 65%以上) が減少し, ヘキセン類の割合は変らず, 2,3-ジメチルブテン類の割合は増加するという結果をえた。反応条件によっては, 二重結合の移動による二量体のすみやかな異性化が認められた。本触媒の活性は P/Al2 比に依存し, P/Al2=0~1で良好であった。Al2/Ni=45において, P/Ni を0から32へ増加させると, その比が約8に達するまでは二量体分布は変化し,ヘキセン類は減少し, 2,3-ジメチルブテン類は増加したが, 8以上ではほぼ一定であった。このことは P/Ni 比に依存して異なる活性種が存在していることを示唆するものである。溶媒に関しては, 使用した数種のものはほぼ同じ二量体分布を与えた。また, 低温, -50℃ でのゼロ転化率法によって, 本反応の一次生成物およびそれらの生成比が推定された。これらの結果および参考知見に基づいて, ニッケルヒドリド錯体を活性種とする反応機構を提案し, 二量体分布の説明を試みた。
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